お知らせ

至聖先天老祖顕像記念日 & 孚聖成道記念日(孚聖略史)

   農歴九月九日(2020年10月25日)に至聖先天老祖顕像記念日と孚聖(ふせい)成道記念日を開催しました。

 

【農歴九月九日について】

   陰陽思想の中で九という数は純陽であり、聖なる数とされます。その九が重なる農歴九月九は重陽(ちょうよう)の日とされ、中華圏では祭日となります。

   過去、この重陽の日に中国全土から各院会(道院と紅卍字会)の責任者が集まり、済南母院にて全国道慈會議が行われていました。そこで問題などを話し合い、時期に合わなくなった綱則(規則)を改正し、その後の院会の活動を決めていました。

   現在は「宗母総(そうぼそう※)」委員会として日本、本部の香港、シンガポール、米国、マレーシアなど各国の代表が話し合い、全体の意思決定を行う会議が定期的に開かれています。

※宗母総:天津院、済南院、北京院の3つの院をまとめて宗母総と言う。この3つの院が中心となり、世界の院会の運営を行っていた。

 

【至聖先天老祖顕像記念日について】

   至聖先天老祖顕像記念日は六献典礼(老祖様に対する最高位の典礼)です。

   六献典礼は本来、祀霊室も含めた9つある全ての祭壇に各院の掌籍(人側の責任者)が集まり、各院に対して祭儀を行うのが本来の形です。祭儀に必要な人数だけで約20~30名が必要な祭典です。

  現在、六献典礼は簡略化されていますが、日本総院では現在の落合移転の際に、正式な形の六献典礼を行ったことがあります。各国の道院から人々が集まり、とても荘厳な祭典でした。

 

【孚聖成道記念日】

   また孚聖成道記念日も行われました。孚聖の名よりも、中国の代表的な仙人である八仙人の一人「呂洞賓」の名のほうが詳しい方は馴染みがあるかもしれません。

   道院では統院掌籍としてお祀りしており、誕日(農歴四月十四日)と成道記念(農歴九月九日)の年2回の祭典が行われています(成道とは仙人になること)。冊子『聖哲略史』より孚聖様の略史を転載します。

 

孚聖(ふせい)

   姓は呂、名は巖、字は洞賓、道號は純陽。唐の浦州永楽縣の人。父の名は譲で元和(※)の進士(※)である。母は王夫人。

  貞元十四年(西暦798年)四月十四日に生まれる。生まれる時、香りが部屋に満ち、宙に浮いたといわれる。また一羽の白鶴が天より舞い降り、蚊帳に入り見えなくなったと伝わる。幼少ころから極めて聡明で日々萬言を記憶し、言葉は成文と成った。身長は八尺二寸となる。容姿は張子房(※)のようであった

   しかし、二十歳にして娶らず、進士に二回落ちる。六十四歳に至り、長安の酒屋で雲房先生と出会う。雲房先生は鍾離權(※)である。鍾離權は十の試練を与えるが、孚聖はすべて動じず。また黄白の術(物を金に変える術)を授けて曰く「この術を以って人を済(すく)い物を利せよ(豊かにせよ)。そうすれば即三千の功を満たし、八百の行を円満に成就できる。吾(鍾離権)は子(孚聖)を再び度そう(試そう)。」と。孚聖は「作った金は変異すること有りや。」と問うと、雲房曰く「三千年後に元に戻るのみ。」と。孚聖、愀然とし「それは三千年後の人を誤らせる。吾はそれを為すことを願わない。」と。雲房笑いて「汝、その心により、三千八百の功行を円満に終えた。」と言い、そして延命術を授けた。孚聖は自らこの術を極めた。

   その後、孚聖は黄竜山に遊び、紫雲の蓋(覆い)を成す所を覩(見)る。そこに異人(仙人、神人)が有ることを知る。入謁し、黄龍真人(※)に値(会)わんとして鼓を撃ち、堂に升る。孚聖が進むことを誘いて黄龍真人は大声で「座傍に法を盗まんとする者あり。」と。孚聖は毅然として「一粒の粟中に世界を藏(ぞう)し、半分の鍋の中で山川を煮る。この意如何に」。黄龍真人は示して曰く「屍を守る者は鬼なり。」と。孚聖は飛剣(宙を舞う剣)を用いて脅すが、剣は届かなかった。再拝し、指帰(教え)を求める。黄龍真人曰く「半分の鍋の中で山川を煮る。これは問わない。一粒の粟中が世界を藏するとは如何に。」孚聖言下に頓契(悟り)し、偈を作り

      捨却瓢嚢憾碎琴(瓢嚢を捨て、琴を破す)

      如今不錬汞中金(今より汞より金を練らず)※汞:水銀

      自従一見黄龍後(黄龍に一見せしより)

      始覺従前錯用心(以前に心を用いたことは錯りと悟る)

   その後、江淮にて、霊剣を試し蛟の害を除くなどの伝承がある。その後は顕を隠し現れることなく、遊戯神通し、時行方便す。

(冊子『聖哲略史』より)

 

元和:唐の年号806~820年

進士:科挙の合格者

張子房:張良(劉邦の軍師)のこと。女性的な容姿と伝わる。

鍾離權:しょうりけん。同じく八仙の一人。道院では統社掌籍として統院に祭祀される。

黄龍真人:呂洞賓を紹介した一般の書籍に黄龍禅師とあり。問答を見ると禅宗の僧侶と思われる。

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