2021年3月5日に先知施洗約翰誕日祭典を行いました。
先知施洗約翰の「先知」とは救世主イエス・キリストの前駆、施洗は洗礼を施すの意味です。耶祖(イエス・キリスト)誕日祭典と同じく、西暦により決定しています。また、お供えするものも赤ワインを用います。それでは『聖哲略史』より、先知施洗約翰の略史を転載いたします。
先知施洗約翰(ヨハネ)
ユダヤのヘロデ王の時代、アビヤ組の祭司・父ザガリア、母の名はエリザベス(エリザベト)。二人は人々より尊敬を受ける敬虔な義人であった。しかし、エリザベスは老いて子供を身ごもることが無かった。ユダヤの風俗では婦女が子供を産めないことは恥とされた。ある日、ザガリアの班は祭司職を務めていた。神殿に入り、香を焚き、民衆は神殿の外で祈る。すると神が忽然と香案(香炉をのせる机)の右に現れた。対して曰く「ザカリア、懼れる勿れ。あなたの長年の祈りを真の神は聴き、受け入れられた。将来、汝の妻は子を産む。名をヨハネとすべし。汝は将来、その子によって大きな歓喜(幸せ)となるだろう」と。この後、エリザベスは身ごもり、子を産んだ。
先知ヨハネは成長すると、身心は強健となり、荒野に住む。蝗(いなご)や野の蜜を食べ、ラクダの毛皮を衣とした。罪を悔い改める道を広く伝え、ヨルダン河にて洗礼を施した。洗礼を受ける人は多く、耶蘇(イエス・キリスト)もまたその中の一人であった。
その後、ヘロデ王の罪を激しく責めたため、獄に繋がれる。臨刑の時、耶蘇はその前にて祈った。
かつて先知は語り、示した。「吾は水を以て洗礼を施す。将来、あなたは火と霊を以て洗礼を施すだろう。しかし、世を救うために身を捨てることになるが、利害を考えてはいけない。そうすれば功を成すことができる」と。