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世界紅卍字会創立100周年⑧ 「卍字會の性質」3 希望永無災患

 

 

世界紅卍字会深圳難民収容所医務所(西洋医および中医の両方を施す)。年代不明。

 

 創立100周年を迎える世界紅卍字会について解説しています。『道慈綱要 卍字篇』の翻訳です。前回からの続きとなり、紅卍字会および道院が目指すところが道に絡めて、解説されています。

 

二、希望永無災患

  「災」は天災なり。「患」は人患なり。均しく人にとって悪なり。既に人々が同じく悪とする所を免れようとするが、その反対となってしまうのである。心は悪を避けようとしても、振る舞いにより全てこれを招き、これに到ることになる。逆に、こうも言う。人とは愚かであっても、また自らその災を招き、自らその患に到ることがあるだろうか。以って自ら禍をかぶり、自らを害するであろうか。

  噫(ああ)、正縁(天が与えた良縁、良機)であっても、愚によって自ら安心の道を歩もうとせず、逆に智巧(人を害する悪だくみ)を貴ぶようになる。そして、天の怒り、人の恨みが積もり、既に久しく、これらが水、火、疫癘(疫病)の災、盗賊、刀兵の患を演じ、為す。人を害せば、終わりには自らを害する。(このようになって)悔に何の益があるのか。

  そうではあるが亡羊補牢であり、未だ晩ではない(※)。見兎顧犬(※)であり、まだ追いつくことができる。災患が来たる源は一念である。能く誠心に回帰し、前非を痛革すれば、天はすでに怒を解き、人の怨もまた平となる。刼燹(戦災)を弭(※)し、以って易く祥和となる。干戈(武器)を化し、玉帛(玉と絹)と為す。たとえ、指顧間事(ごく短い期間)のみであったとしても。

  人心とは乱が久しければ安を思う。悪が極まれば善に回(還)る。一盤散沙(※)をどうすれば団結一致することができるだろうか? 以って、この凝集し堅実となった刼運を化することができるだろうか?

  ここで、この卍會の連合の同志は、災患を免じ除くことを旨とし、提唱するのである。世界の乱は極まり、人民は苦に至る。卍會の同人、本卍會の性質を以って、機に順じ利を導き、半分の努力で倍の效(効果)を収めなくてならない。これによって人々に感を興し、共に災患を弭(鎮)し、これを己の任となすのである。

※亡羊補牢:羊を失ってから、牢を直すの意味。また、まだ晩になっていないため羊を探せることから転じて、反省に遅すぎることはないという意味の成句。

※見兎顧犬:兎を見つけてから、遅れて猟犬を放つ意味で、失敗をしても挽回できるという意味の成句。

※弭:ミ。現象が出る前に消し去ること。紅卍字会、道院では頻出する言葉。弭化も同じ。

※一盤散沙:皿の上の無数の砂から、人心がばらばらのこと。

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