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世界紅卍字会創立100周年⑦ 「卍字會の性質」2 希望世界永久和平

 

1941年3月 寶安大鵬(地名)、南澳(地名)から逃れた難民の支援時の写真

 

   創立100周年を迎える世界紅卍字会について解説しています。『道慈綱要 卍字篇』の翻訳です。前回からの続きとなり、紅卍字会および道院が目指すところが道に絡めて、解説されています。

 

ご一読頂く前に前に、下記の「性」について簡単にご説明します:
「性」とは先天に属する純粋な本質であり、理(ことわり、法則)そのものでもあります。『英訳真経』では「essential nature」とされ、直訳すると「本質的な性質」であり、渝院道院の濟佛訓では「nature(大自然、本質、源)」とされています。道院教義における重要な概念です。


一、希望世界永久和平

   世界は大に至り、人と物は繁に至り、萬萬有有(萬物が繁栄する様)となる。各々、類(物や動植物を含めた種類、種族)によって集まり、居を別にする。その不同で異なる趣は、人の想像が及ぶものではない。しかし、皆、大地の上、光天化日の下で生存し、活躍する。そして、各種が望む安楽と和平と幸福にあまり大きな違いはない。この相同の点(各種が望む幸福)は何を以って維持されるのであろうか。

  それは天賦の性、これなり。天賦の性は人類だけが有するのではない。いずれの種も皆有する。故に飛潜の動物、植物はそれぞれの性があり、それぞれの安がある。このように世界は成り立っており、人、物は各々その性をすでに有することは論を持たない。

  しかし、人類のことを言えば。智と愚、善と悪など、大きな違いがある。その性は同じと言えるのだろうか。そうは見えるが、人生の初め、性は未だ不善を有せず。その性が本来、悪とするのは誤りである。利欲に染まることで悪となるのである。物類もまた然り。(性は本来、悪ではないことから)故に人や物は共に相親相愛であり、お互いを利し、お互いを助けるという善性がある。

  惜しむらくは、人の多くはこの本性を常に守ることが未だできない。その本性を能く守らなければ、必ず他人を侵すことになる。そして不和は不平と成り、不平によりお互いに争うことになる。この不和不平に従ってしまえば、世界は寧することはなくなる。そして人物は蠢動(愚かな動き)する。

  その生を安し、その存を楽しむ。これをどうしたら得られるのであろうか。(個々人が)和と平に関係することは大きなことである。世界の本性は和平である。しかし、今は不平の一念によって全て駆逐されてしまった。その原状の回復(世界の本性である和平)を望むならば、自分で変えることができる。人々には能く本性を守ってもらいたい。

  また、安寧とは外に求めることではないのである。懼(恐)れるべきは性を既に迷い失っていることである。どこに(性を)捜し求めるのであろうか。それは難しいことではない。

  世界紅卍字會もまた希望和平を以って性と為す。我ら人もこれと異なること無し。恭しく卍字會の性を借りれば、我らは性を得ることができる。人が本性を尋ね求めることを、卍會は助けることができる。(これにより)我ら人は本性を守ることができ、我ら人はその本性を充することができる。我ら人が好善の本性を既に充したならば、人と競することもなく、世界が自然に和平となる。世界が自然と永久平和となる。この希望を卍會が達することは、同時に人もまた安生楽存の天性を遂することでもある。これは懿(すばらしいこと)ではないだろうか。

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