先修逸話(1)

先修逸話(1)
中和真人 干福和先生
天空に現れた楕円形の金光
山東省萊蕪道院の干福和先生は、道院へ向かう途中において、天空に大きな楕円形が現れるのを見た。その金光はかつて無い程の光輝であった。
この楕円形の光が消えた後、白日(太陽)が東南の方に昇っているのを見た。それは円形にして白紙のようなものが天空に懸っているかであり、先の楕円形の光は、この太陽光をはるかに凌駕するものだった。世にあるあらゆる光彩を超えたものであったという。
萊蕪道院に着いてから壇において慧聖がこの現象を訓じた。これによれば、「老祖が先天の炁胞の真光を現したもので、汝はこれを見ることができた。」との事であった。
荘子の夢と重なる境地
干福和先生は萊蕪道院にてただ座って魚を見ていた時、忽ち心神が融化して、一種の虚心自適な状態になった。
この時は水中に泳ぐ魚も、空を飛んでいる鳥たちも、みな自分自身のように思われ、自分は鳥なのか、魚なのか区別をすることができなかった。
ものみな全てが自分であると感じる境地に入られたのである。
先生が言われるには、この時は庭の枯草も、空気中に漂う埃や塵ですら、何か潤いのようなものを感じ、親しみすら覚えたとの事であった。
これはまさに荘子が夢において、蝶と自分の区別をできなくなったことと同じ趣きの体験であった。
北極真経の悟りと「演経筆録」
宋代の周簾渓は、先人の伝統を受け継ぎながら、太極図の理を通書の一書で著した。
干福和先生は、この通書を熱心に参研し、その結果北極真経を悟られたと伝えられる。干福和先生はその真経の理解を「演経筆録」にまとめられた。





